電子書籍のよく言われる6つのデメリット

'Kali, Avatar of the eBook' photo (c) 2009, Javier Candeira - license: http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/

★電子書籍のよく言われる6つのデメリット

  1. 海賊版
  2. 圧倒的に数が少ない(そして販売チャネル)
  3. 書き込みができない
  4. 生理的に無理(やっぱり紙が良い!)
  5. データ管理が面倒
  6. 思わぬ発見がない
  7. 現状でも文庫本などは十分安い

1. 海賊版

  • 反対派「電子書籍で出版されるとそれが不正コピーされ海賊版(ブートレグ)が出回る」
  • 反対派「著作権違法を助長するからけしからん」
  • 現状:電子書籍が普及していない現在でも実際に不正コピーされたものは出回っている
  • 例1:集英社「週刊少年ジャンプ」の人気海賊マンガ
  • 週刊誌発売前(コミックス発売前ではない!)にYouTubeにアップされる
  • 例2:音楽ファイルと同様
  • 特に人気のものほど海外へ不正コピーしたものが流出し取り締まれなくなる
  • 根本的な問題を忘れている!
  • 海賊版の問題は前回のエントリーで書いた電子書籍の大きなメリットに及ばない
  • つまり「いま、ここで、早く、読みたい」という人がいる
  • パソコンで瞬時に見たいという需要があるから違法ダウンロード
  • どうしてその人へ正当な手段で正当な書籍を提供しないのでしょうか?
  • 違法コピーは、なくなりません
  • 音楽ファイルでもう、痛いほどわかっているはず
  • それならば正当なものを供給してしまえ!
  • そうすることで「対価は払っても良い」と考えている人へ供給することができる
  • 得るべき報酬をより多く得ることができる
  • もちろん電子書籍で出版することによって不正コピーが一層容易になる
  • 「対価は払っても良い」と考えている人からできる限り報酬を得るしかなさそう
  • なぜなら電子書籍のメリットはあまりにも大きいから

※電子書籍によって不正コピーの可能性が高まるのが嫌な著作者は従来どおり紙媒体で出版すればいいのです。
※もちろん不正コピーを承認しようなどとは一切考えていません、念のため。

2. 圧倒的に数が少ない(そして販売チャネル)

  • 紙媒体で出版されてきた書籍に比べ、電子書籍の絶対量が少ない
  • 今後出版される本が電子書籍になる
  • 従来の書籍が電子化される
  • その差は縮まってゆき、いずれ逆転する
  • 販売チャンネルの問題
  • 2010年5月現在の電子書籍が普及しないもっとも大きな理由のひとつ
  • もはやアマゾンで実用に耐えないほど書籍の品揃えが悪いと考える人がいない
  • いずれ現在のアマゾン並みの品揃えをもつ電子書籍のサイトがでてくる
  • 時間の問題

3. 書き込みができない

  • 本に線引いたり、書き込んだり、付箋貼ったりしたい!
  • これも時間の問題、というかすでにできます(わお!)

 ※2010年1月にすでにサムスンが書き込み可能な端末を発売しています。
韓国サムスン、電子書籍市場に参入 書き込み可能な端末発表。PDFに付箋も貼れます。されに今後も改善拡張されていくでしょう。

4. 生理的に無理(やっぱり紙が良い!)

  • 産経ニュースに「【日本の議論】電子書籍は本当に便利か日本人は紙の本への愛着が深く
  • 人の感情の話ですので要するに慣れ
  • そうとしか言い様がない
  • しかし…
  • 例えば、 ワープロが普及したとき
  • 当初は結構反発があった
  • 「日本語を横書きにすると、日本語がダメになるぞ!」と
  • 今、そんなことを言っているひとを見つけるのはすでにiPadを購入して誤って落としバキバキに壊れてしまった人を見つけるよりも困難
  • 例えば、レコードとCDを思い出す。
  • レコードのアナログな音と、大きなジャケットの所有欲を支持する人は予想以上に多い
  • DJなどクラブ文化に明るい若者にも支持者は多い(わたしの知り合いも)
  • おそらく、書籍の装丁もレコードと同じようにそのものに価値を見出す人がいるであろう
  • おそらく大部分の人がCDそして、オンライン音楽配信へ流れたのと同様な現象

5. データ管理が面倒

  • 安心して
  • あなたでも使えるテレビのような端末がでてくるから(キラッ)
  • バックアップもクラウド化で低コストになる

6. 思わぬ発見がない

  • 何か思わぬ発見を求めて 本屋さんに行きます」(福岡伸一)
     
  • いいですね、わかりますその気持ち…
  • その機能はウェブにもあります
  • 「思わぬ」というのはパソコンの得意分野
  • パソコンはランダムに抽出するのが得意
  • 「それは違うよ、わかっていない」
  • 「書店のおすすめが見たいんだよ、という方」
  • 大丈夫
  • ウェブ上でおすすめ書籍リストを見つけるのは、JR山手線のホームでiPhoneを使っている人を見つけるのより簡単です

※さらに幸運なことに、あなたにあうおすすめをしてくれる人をウェブ上で発見する可能性は、三月書房のおすすめが自分にあっている可能性よりも大部分のひとにとって高いでしょう。
※ただ、ランダムに並ぶ書店の実用上の利用価値は相当期間残るでしょう

7. 現状でも文庫本などは十分安い

  • アメリカで電子書籍が爆発的にはやったのは、もともと本の値段が高いから
  • 対して文庫本が安く質も良い日本では電子書籍は普及しないといわれている
  • これは重要な指摘
  • もしかすると、残念ながら思った以上に時間がかかるかも
  • しかし結局いずれは市場の原理とイノベーションの力によって電子書籍が普及していく

※文庫本の平均価格(2006):607円(出版科学研究所) 
私はこの記事を書くために日本の文庫本の平均価格を調べた。607円というのは私たちのイメージともそう遠くない。しかし、あきらかに民間でできる仕事を行う文化庁管轄の公益法人出版科学研究所を見つけてしまった。ああ。電子書籍の普及阻害があるとすればこういう団体なのだろうか。

★デメリットまとめ

  • 電子書籍の日本での普及は遠くもないが近くもない
  • iPadかキンドルかもしくはその他のデバイスかは重要ではない
  • それらがより改良され、著作者サイドが読者に利便性を高めるようなものが作られれば、普及しないはずはない
  • 私は自分の孫にハリーポッターの新聞の魔法で動く写真というものを、実物を見せて説明できそう

Kindle で買った本がいまいちだったが、中古本で売ることはできない。誰かにあげてしまうこともできない。

— もしかして: 山本健太 (@ymkjp) December 15, 2012

@ymkjp

電子書籍の意外と気づかれていない6つのメリット

'eBook Reader' photo (c) 2009, Aitor Calero - license: http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/

★電子書籍の意外と気づかれていない6つのメリット

  1. 買った瞬間に読める
  2. 本棚が必要なくなる(不動産に縛られなくなる)
  3. 目的の記述を発見しやすい
  4. 絶版本がかなり減る
  5. 書籍のアクセシビリティが高まる
  6. 環境にやさしい

1. 買った瞬間に読める

  • すでに現在のアマゾンは「PCさえあればいつでも/どこでも」+「速攻購入」を達成
  • 電子書籍は「アマゾン」+「ダウンロードした瞬間読める」!
  • 早さの求められる情報社会においては圧倒的なメリット!

2.本棚が必要なくなる(不動産に縛られなくなる)

  • 実は紙媒体の書籍の一番の問題点は不動産
  • 小飼弾さんの「紙の本は90パーセント消えます」を読めばわかる
  • 紙媒体の本では本が何百、何千と増えていけば、部屋では保管しきれなくなる
  • →いずれ倉庫のようなものを借りる必要がでてくる
  • 本好きが最終的にいたる問題は「不動産問題」である
  • 持ち運びの際も「不動産」は例外ではない
  • iPadで気軽に1000冊の本を持ち運ぶことはできる
  • しかし素手で1000冊となれば容易ではない!

3. 目的の記述を発見しやすい

  • 電子書籍は複数の書籍を横断的にワードなどを検索することができる!
  • さまざまなソートにより検索が可能
  • 「著作者」
  • 「あなたが最後に読んだ日」
  • 「あなたが購入した日」
  • あなたの指定したキーワード
  • 本のタイトルがわかっているならその本の中から
  • キーワードやだいたいのページで検索
  • 早く目的の情報へたどり着く

※図書館で借りるにも、その本を特定しなければなりません。まず、持っていた本のタイトルを覚えていれば良いですが、とにかく(幸運なことにその図書館に該当の本があればですが)図書館でその本であっているかどうか確認する必要があります。これは図書館で借りなくとも、書店で購入する場合も同様です。ただし、再販制度に縛られてほとんど新刊しか置いていない一般書店ではより一層困難を極めるでしょう。また、お探しの本が絶版となっている場合は、探し出すことは事実上不可能になる場合もあるでしょう。

3. 絶版本がかなり減る

  • 書籍の文字データは無限に増殖可能
  • 印刷、在庫、流通においてコストがかからない
  • 何かほかの理由で版元などが絶版にしない限り絶版はない

※ただし逆に、 アマゾンが『1984年』という書籍をキンドルから無断削除した問題[魚拓] など、不安定な部分がありますが、これは権利関係がしっかりと認知されれば無断削除などということは無くなっていくと思われます。
※また、版元がしっかりしていない個人になる場合があります。書籍のウェブページ化ともいうべき現象ですが、おそらく書籍はよりウェブに近くなっていきます。しかし、データを複製しておけば、容易にバックアップ可能でしょう。
※iPadとKindleについてはこちらの本をどうそ。

4. 書籍のアクセシビリティが高まる

  • 電子書籍はすべての人のアクセシビリティ(利用容易度)を向上させる
  • 社会的弱者だけではない
  • 紙媒体の書籍より「安い」
  • すべての人への書籍へのアクセシビリティを高める
  • 電子書籍は安いだけではない
  • 例:最近横書き日本語の本が増えて困っている縦書き派の人
  • →購入したテキストデータは用意に縦書き表示にできる*1
  • 高齢者や障害者などいわゆる社会的弱者のひとにこそ利用されるべきもの
  • 電子書籍ならば視覚障害者は音声ソフトで読める
  • 遠視の高齢者は文字を拡大するだけ
  • 音訳ボランティアや大きな活字シリーズが必要でなくなるというわけではない
  • 電子書籍はすべての人の選択肢を増やす
  • 今までどおり音訳ボランティアの方が読んでくれたものの方が良い人はそちらを選択できる

*1 もちろん、著作者がどうしても横書きで読んでほしい場合は、そのように注釈をつけることも可能でしょう。
※おそらく、どれほど音声読み上げソフトの質が上がろうと音訳ボランティアの需要は減ることは多少あってもなくなることはないと思います。 ボランティアの方とのふれあいを副次的に、もしくは第一義的に求める視覚障害の方はいらっしゃるでしょう。それに、音声読み上げソフトの声質がいつまでも機械的だと”感じる”人はきっといます(そもそも「言語」という非論理的なものをソフトで完全に対応させることは困難を極めるでしょうが) 。どれだけソフトの質が上がろうと、データで表すことのできない感覚です。「音訳ボランティアの方が呼んでくれていることそのもの」に意味を見出す人は少なからずいるはずです。

5. 環境にやさしい

  • 電子書籍は流通など中間経路(コストも)を大幅にカット
  • 紙、印刷インク、書籍カバーは省ける
  • 流通はオンラインで済ませられますからトラックの燃料も必要ない

メリットまとめ

  • 意外と気づかれていないようなメリットを5つだけあげた
  • 他にも店員とかかわらなくても済む(アダルト的な意味で利点?)などいろいろとある
  • これらのメリットはデバイスやアプリ、著作者側のアイデアによって現状以上に拡張されていく
  • 電子書籍は、活版印刷以来の書籍のパラダイムシフトである

@ymkjp